彬義ワールド 公園 大人篇28
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2016.11/22 (Tue)

公園 大人篇28

Part.28

喉の渇きで目覚めた加賀は起き上がった。
半覚醒の状態でキッチンに向かう。
寝酒がいけなかったか。
酒は強いが毎日飲みたいとは思わない。
キッチンを見て、夕食にシャンパンも飲んでいたと思い出す。
蛇口からコップに水を注ぎ、口をゆすいでから、飲む。

間接照明が巧みに足元を照らし歩くのに困らない。
キッチンからベッドの方向を見ると暗くてシルエットにしかならない。

加賀は足元の照明を追ってベッドへ戻った。
シルエットでも護が就寝しているのはわかった。
加賀が寝るまでは机に向かって黙々と勉強していた。
いつの間にか隣で眠っていたようだ。
まったく気づかなかった。

起き上がる時に半身からするりと身軽くなった感覚があった気がするが。
あれは護の重さだったのだろうか?
それにしては肩も腕も痺れたりしていない。
加賀は手を軽く振ったが、軽快そのものた。

足元灯を追ってベッドに近づくと、今度はキッチンがシルエットになっている。
ぎりぎりまで光源が落とされているがほんのり周囲を照らしてる灯りがあった。
片手を唇に当てた護の天使の輪が幾重にも輝く黒髪はシーツにしどけなく広がり乱れている。
くるりと毛先がカールして跳ねている。
長い睫毛が色濃く頬に翳を落とす。
顔の輪郭は優美で品格がある。
純白のレースが縁どられたドレスシャツ?
視線を下にして加賀は愕然とする。

一番最初の時に、最もサラリーマンぽい恰好をしていたが。
それから護の服装は背広から離れ、どんどん崩れていく。
この駅にある音大に通っていると護から身元を教えられていたから、大学生、音大生ならそんなものかと気にしないことにした。
気にしないようにはしてたが、護はブラウスシャツを好んで着用していた。
レースやフリルが多用されているが女性ものという感じはしない。
生地も上質で貴族的なニュアンスが感じられた。
歴史の海外の王様とかの肖像の服装に近いイメージだ。

服装の印象で女性と見間違えることはない。
強いてあげるなら少年らしいになるのだが。
フリルレースからすんなりとのびた手足はなまめかしくネグリジェかと目の置き所に困り果てた。
どこかに男性と確認できるところがあるだろうと加賀は再確認する。
フリルブラウスは後ろは長いが前は短い。
同デザインのショートパンツを穿いている。
どういうパジャマだ。
こんなになまめかしく艶めかしい艶肌の手足があるだろうか。
加賀はしばし立ち尽くした。
凝ったデザインだが他の者が着たらここまで加賀も当惑しない。
本人は至って無邪気だ。
これも頓着せずに着ているのだろう。
加賀にはそう容易に検討がついた。
護の無頓着な無邪気さに帰結してしまえば‥。
良いのか悪いのか、加賀の自制心は鉄壁だ。
狼狽の影すらない。

肩を竦めるとベッドに身を横たえる。
加賀が寝ると、それを待っていた動きで護が上に乗りあがってきた。
起きてるのかと顔を見たが、瞳は開かない。
手探りで確認するように手足が動いて、するんとふところに入ってきた。
パズルのパーツのようにぴったりと収まってしまう。
そうなると加賀はそれで正解と感応してしまった。
とても邪魔だとは思えない。
触れ合う肌の温かさが心地よい。

なんでだか悪くないなと思う内に寝つきの良い加賀は眠りに落ちていた。

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