彬義ワールド 公園 大人篇29
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2016.11/23 (Wed)

公園 大人篇29

Part.29

一夜眠れたからと言って睡眠不足が解決するものでもない。
カーテンの隙間から洩れる朝陽に眩しそうに瞬きする。
朝だ。
待ち遠しかった朝が、名残惜しむ朝となっている。
陽射しの位置からまだ早朝とわかった。
待ち遠しい朝は太陽が昇ったのがうれしく、昼休みを待ちかねた護は起きてしまう。
そわそわと時間の経過を待ちかねる日々に、さよならを告げられた。

護は加賀の胸脇に額を当ててなごむ。
重くなっていく瞼に負けた。
ぴたりと加賀に密着する。
とろとろとした惰眠を貪る。

護は加賀の動く気配で目を覚ました。
「お早う」
むくりと起き上がった護に加賀は声をかける。
護は声に反応し、加賀の姿を探す。

加賀はキッチンに立っていた。
皿をざっと流し皿洗い機に入れている。
スタジオに長逗留できるよう機能的に何でも揃っていて便利だ。

寝姿では託し上がり短パン姿かと思ったが。
起きた護がベッドから立つと、裾が広がった膝丈のパンツスタイルだ。
まだ女性がドレスを着ている時代の映画を何本か観ているが。
その時に見たことのある優美なアンダーや、寝間着に似ているデザインだ。
護は堂々としている。
微塵も違和感を感じず見事に着こなしいる服装に加賀は口を挟む気はない。
「おはようさん、起こしてくらはったらよろしいのに。」
護はちょいと不機嫌そうに加賀を軽く睨む。
「寝たの俺よりずっと遅いだろ。」
加賀は睡眠不足の護の眠りを妨げるつもりがないことを言下に明言する。
「え、ま、そらそやけども初めが肝心て言いまっしゃろ」
護は加賀と朝を伴にしたかった。
言いながら護は身支度に忙しい。

「うん、だからこそじゃないか。」
加賀はソファに座って食後の珈琲を口にする。
全自動コーヒーメーカーが設置されていた。
豆と水を入れスィッチひとつで美味しい珈琲が出来る。
嚥下して感嘆する。
あるものを何気なく使ったが、とっても良い豆が用意されていた。
「朝、冷蔵庫にあるもの使わせて貰ったが。」
「どうぞ、なんでもあるもん使ってええよ。もし何か欲しいもんあったら、冷蔵庫にあるメモに書いておいておくれやす」
言われて確認すると、冷蔵庫に白のメモ用紙と白いボールペンがあった。
色的に同化して気付かなかった。
白のボールペンが気になり、確認するとインクはブラックだ。

護はパステルブルーのシャツとクリーム色のスラックスに着替えて来た。
テーブルを見て、立ち止まり、その場に立っている。

少食とわかってる護に嫌がらせで朝食を用意した訳じゃない。
フルーツヨーグルトと、ゆで卵にトーストだけ。
加賀は手招いて座るように合図する。
「朝はカフェラテだけでええわ」
「食べられるだけで良いから」
云いつつ加賀はカフェラテを用意する。
ヨーグルトに、籠に盛られている果物をいくつか刻んで放り込んだ簡単で朝食にベストな一品だ。
護はそれが気に入って食べきった。
卵に手を出さないので、加賀はテーブルに着席する。
途端に一緒の席についた加賀に護は上機嫌になる。
あからさまな態度は加賀にもダイレクトに伝わる。
一緒に朝食を食べたかったのだと、どこか不機嫌な様子の理由がわかる。
加賀は器用に卵の殻を剥いて、ひとつまみの塩を散らして渡す。
護はもうかなり満腹気分でいた。
それでも加賀から渡されるのを断れず、一口食べたら止めようと思って加賀から受け取った。
黄身が絶妙な半熟加減でゆで卵がぷるぷるしている。
「なんやのんこれゆで卵とちゃうやん。」
今まで食べた全てのゆで卵と次元が違う。
もっと柔らかいと護としては食べられたものじゃない。
固すぎて、もそもそした黄身も論外だ。

「ゆで卵だよ、もうひと手間かけると味玉になる。」
「味玉?なにそれ食べてみたい。」
護は瞳を輝かせた。
「わかった。」
加賀は頷いた。

思わぬものに興味を持ってくれる。
加賀はスポーツで寮生活をしていたが。
遠方からの学生らも寮住まいをしており、食べ盛りの学生同士、情報交換が盛んだった。
そうしたからと言って美味しくはないのでしないが、黄身と白身を逆にする方法も加賀は知っている。

トーストは見事な歯形を残して護は食べるのを止める。
もう朝食としては十分だ。
出社する加賀とエレベーターに乗る。

護は加賀をロビーまで送り、部屋に戻って課題の続きをすると言う。
加賀は見送る護に昼休みは後枠の時間になりそうだと言った。
前でも後でも逢えれば護に異論はない。
「ロビーに迎えに行くわ」と護は嬉しそうに告げた。
加賀は習慣に組み込まれたランチの約束に頷いた。
ビルを出れば、見えるところに勤め先のビルがある。
駅から会社に向かう道とは方向的に筋違いになり、顔見知りと思った以上に会わない。
加賀はいつものテンポで歩き出した。

12/1




11/23元ブログ
公園 大人篇を本日は何篇か‥何篇か?!
アップしたいと思ってます。
まだ、空欄追いしてる状態なので、アップしたらここに報告いれます。

ちょっぴりPart20大人篇改訂しました
Part.21アップしました 明日は都内雪との予報ですが、当たって欲しくないな。欲しくないが寒いにゃ~
21をFC2小説にアップするついでにちょっと改訂しちゃった
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