彬義ワールド 公園 大人篇27
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2016.11/21 (Mon)

公園 大人篇27

Part.27

護は小さな欠伸をして、両手を上にぐーんと伸びをした。
それは珍しいことであった。
終わらない課題と格闘し、ささくれた神経が尖って眠気は遠退いていく。
苛立って剣呑な顔をして部屋を無暗に歩き回るか。
時には感情の高ぶりを御しきれずに落涙していた。

今宵も課題は終わった訳じゃないが。
今日の分としては充分だろう。
何よりスランプを理由に待たせていた作曲依頼をいくつか書け片付けられたのが良い。
こんなことは本当に久しぶりだ。

インスピレーションが湧けばあっという間のことが、理論を勉強し始めてからさっぱりだ。
焦れば焦るだけ消耗するだけ。
護はずっと煮詰まりっ放しになっていた。
追い詰められ、後先考えず公園に居る加賀の膝を借りる暴挙に出た。
初めは窓から見ているだけで満足していたのに。

自棄気味で加賀の膝に寝転んだ途端、護はスーと寝付いてしまった。
それは久々に気持ちの良い眠りであった。
夜はやっぱり眠れず、また昼休みの加賀のもとへ行くと眠ることができた。
それが判れば味を占めてしまうに決まっている。
それでも流石に自己抑制が働き、なかなか昼以外を誘うことができずにいた。

貴重な時間を天候に奪われそうになって、護の逡巡は痛烈だった。
意志の力で諦めようとしたらリミッターが弾け飛び、意識がぶっ飛んだ。
我慢しようと決断した直後から記憶がない。
ベットの中で目覚めた時に加賀が間近にいた幸福感は計り知れない。
護なりに考えてスーツを明日着ていけるようにして、パンを焼いて‥。
はらはらしつつ帰宅の約束を取り付けた。

加賀は説明なく結果を求めるようなせっかちな護の問いに瞬きひとつで決断する。
いつもそうだ。
驚いているのかもしれないが、それはほぼ加賀の顔にでない。
なぜか受け入れ護に良いように接してくれる。
それが護は嬉しくて仕方がない。
ベッドに行ったら加賀がいる。
一昨日までは夢見ても現実にはならないと思っていた。

一夜眠れただけで頭の靄はだいぶ晴れてくれる。
寝不足がどんなに身体に悪影響を及ぼすのか、嫌というほど体感している。
寝よう今日はもう寝よう
護は寝支度を整えベッドに忍んでいった。

加賀は寝ている。
ベッドの半分に仰向けで静かに寝入っている。
息をしているのか確かめたくなるほど静かだ。
護は加賀の様子を確認し、空いてるスペースから膝をついてベッドに滑り込む。
加賀の肘をそっと掴んで、シーツに滑らせ引いた。
起きない。
それを確かめ、肘を引いて空けた脇に身を潜らせる。

感覚的に邪魔にならないベストポジションを護は体得していた。
ぴたと加賀に密着して満足そうに吐息を吐く。
気分が好い感じにリラックスしていく。
これだとすぐに眠れそ‥そこで思考も止まり安らかな寝息に変わる。

11/28


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明後日は休日だ
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