彬義ワールド 公園 大人篇22
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2016.11/17 (Thu)

公園 大人篇22

Part.22

護は息が苦しくなり歩をゆるめる。
いつでも加賀を見つけるのは容易い。
なんとなく窓辺に寄り、見回せばそこに加賀が居た。
見つけた当初は見るだけで良かった。
ずっと見ている内にきつい印象に反して優しさを内包していると見抜けた。
それに賭けてみる気になった。
無謀だとは思ったが公園で声をかける以外に接点はない。

一度成功して満足する性質じゃない。
欲深な護は昼休みの終わりは身を裂くようにつらい。
急いで離れないとぐずぐずして会社について行ってしまうだろう。
そんなことをすれば加賀を困らせるだけだ。
こんな分別などつけなければ良かった。
子供の頃だったら迷わずずっと加賀に付いて回れたのに‥。

それでも今日はまだ増しだ。
明日の昼休みまで一日千秋の思いで待たなくて済む。
加賀が帰宅する約束を取り付けている。
昨日は失神してしまい、夜中まで目が覚めなかった。
目覚めた時に加賀の腕の中にいた。
見回して理解すると全身が紅潮するほど鼓動が早鐘を打つ。
このままじっとしていたかったが、意識を失ってからのことを考えると。
連れて来てくれた加賀はそのままベッドに身を横たえていた。
護は起き上がり、靴の紐をほどきブーツを脱いだ。

加賀の服がしわになってれば、一度帰宅する必要がでるだろう。
それが嫌で護は加賀の服を脱がせた。
加賀が起きるかと思ったが、眠りが深いタイプだった。
気を使ったが、それでも起きたかということは何度かあり、加賀は起きなかった。
深夜族が多いスタジオのこと、クリーニングを頼むこともできる。
仕上げたら届けてもらうようお願いする。

かろうじてそこまで気遣うと護の眠気は限界だ。
いつもなら夜中に起きてしまうと神経がピリピリして眠れなくなるのに。
加賀が部屋にいるというだけで部屋の空気が全く違う。
深夜の冷気に気圧され泣いた夜が嘘のようだ。

いそいそと護は加賀のふところに潜り込んだ。
次に目覚めた時、このまままだまだ眠りたかったが‥。
加賀を遅刻させてはならないと心を鬼にして起き上がる。
いつもならそんなこと考えもしないのに、加賀に何か用意しないとと。
あまり食材のないキッチンでトーストを用意した。
こんなことならもっといろいろ用意しておけば良かったと思う。

今日は加賀が戻って来たら出かけたくない。
護は晩ごはんを何にしようと考えながら足取り軽く歩き出す。



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11/17下記元ブログ
朝にPart.15新作公開しました~
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