彬義ワールド 公園 ルーツ12
2017-08-/ 07-<< 12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>09-
2016.11/03 (Thu)

公園 ルーツ12

Part.12

クローディアは来るとは夢にも思っていなかった我が子二人の姿に一瞬嬉しそうな貌をしたが。
彼らの薄情なふるまいを思い出したのか、瞬時に能面のように表情を硬くした。
抱いている子の上に上掛けをふわりとかけて彼らから隠そうとする。
大切な愛児を守るクローディアの自然な行動であった。
「お母様、弟を見ても良いですか?」
不意打ちを突かれたクローディアが鉄壁の防御に入ってしまう前にアンヌマリは尋ねた。
事によれば半狂乱で出て行けと罵りたい衝動に駆られていたクローディアは緊張している娘を観た。
彼女も自身が産んだ子である。
「どうぞ」
警戒しつつもクローディアは自らの手で上掛けを避けた。

「かわいい」
想像をかけ離れた小さな赤ちゃんは生きているのかと思うほど繊細に整い愛らしい。
エミリオも横から覗いて小さく息を呑む。
「こんな小さいの観たことがない」
父親が違うとこうも違うのかと、自分たちの同じ頃の写真を思い出して驚嘆する。
2人がもっとよく見ようと顔を近づける。

その害のない様子にクローディアは彼らに見やすいように抱きなおす。
「わっ笑った」
「うーん可愛いッ」
間近に迫った兄姉にベビィはパチリと瞳を開くと同時に笑った。
笑いかけられた二人はもう弟にめろめろだ。
絶対に彼を守ろうと本能に刻印される。

「名前は、母上この子の名前は?」
エミリオがちらりと母親を観たが、すぐに弟に視線を移す。
あまりに麗しく美しく目が離せなくなる。
どんな芸術家でも再現はむずかしいのではないかと思うほど小さいパーツすべてが精緻に仕上げられている。
これまで観た整ってると思えたベビィでも、もっと大きく大雑把に出来ていた。
「護」
「MAMORU」
音で選んだのか、意味はピンとこなかったが。
黒々とした宝石のような黒い瞳と艶々とした黒髪のベビィにしっくりする気がした。
赤子は洗礼名を含め、貴族の子息として、いくつかの名前を持つことになるが、護が彼の通り名となった。

クローディアが上の子達に対する怒りを解き陥落するのも時間の問題であった。
元々は過干渉なほど溺愛していた我が子達だ。
成長し離れていこうとするのに傷つき、引き戻そう躍起になっていた。
それでも離れていくのは止められず、もう二度と戻ってこないと悲愴になっていた。
その想いを覆して、毎週末、学校の行事やテストがない限り、兄姉は金曜に本宅へ帰ってくる。

その行動に機嫌を悪くしていられたのも僅かだった。
手元に戻って欲しいという願いが思わぬ形で現実に
生まれたての護に手がかかる現在、上はしっかりしてて良かったに意識が変わらざるを得ない。
ベビーベッドに寝かせるとすぐ起きて、抱っこしててと要求泣きをする。
可愛いからついつい抱き上げてしまう。
そうすると護にとっては居てくれて当然と抱き癖がついてしまう。
目に入れても痛くないほど愛しているが、兄姉が帰って来てくれると身も心もリラックスできた。
久々に紅茶を楽しみながら、アンヌマリが胸に抱く護をエミリオが優しく頬を撫でている。
家族の光景にクローディアはこの上ない至福を感じた。

上の二人に対するジレンマは日々に薄れていく。
護に対して批判的であれば、上の二人とは硬化していた関係が決裂するのも簡単だったが。
産まれてすぐに逢いに来るとは夢にも思わなかったが。
仕事に行ったと思っていた夫が兄姉を連れて来て、産まれた弟に逢わせた。
護はとても小さくて母だけの愛では充足しない。
家族に庇護される必要があった。


11/3の書き込み
今日は【公園 ルーツ】のFC2小説を立ち上げました。
Part.2まで起こして、1をちょい改定。
ただ、まだまだ足りないと思うてますのでちょっとした改定をしばらく続けるだろうと思います。
まだまだやと思います。

暫時、案内はしはる予定です(笑)
スポンサーサイト
10:03  |  NOVEL  CM用  転載禁止  |  TB(0)  |  EDIT  |  Top↑

Trackback

この記事のトラックバック URL

→http://ryugugi.blog.fc2.com/tb.php/554-219ffaf0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック:

▲PageTop

 | ホーム |